デスペラドロップス感想 - 空中分解ボルボックス

デスペラドロップス～～～！！！！！！！ずいぶん前にコンプしたんですけど感想やっと書きました！というか、DLC終わって、もう展開こんなもんかなと思ったら、製作者によるブログ連載が始まったのでめっちゃ嬉しいです。

というわけでまだまだやる気溢れるデスペラくん、なるべくネタバレしない（控えめ）な感想を書きました！感想読んでからやるか決めるタイプのオタク、是非読んでプレイしてくださ～い！！！

発売前のRPキャンペーンで当たった色紙。ヤッタネ！

アッシュ
ニヒルでクールで理系に全振りしてるみたいな容姿なんですけど天然枠、読書好き設定に加えて語彙や繊細な情緒も相まってかなり文系の男。平たく言えば可愛い。パケ男たるものギャップが大事！
怒鳴り声ってゲームでも結構苦手だなぁって思うんですけど鈴木…太の怒鳴り声ってぜんぜん苦手じゃなかったな。無駄怒鳴りしないからか？かっこいいからか？かっこよかったです。猛獣の威嚇ボイス。シナリオライターの腕が光ると言うか、キャラを動物に例えて表現するのがやたら上手いです。「恐い」と「肉体強者のオス」が同居しててメロつき必至。
本人と距離を縮めるのは意外と難しくないなぁという印象なんですけど、アッシュ√はとにかく外野に追い詰められて、逃げて逃げて本当に辛そうだったし私も辛かった。
もうお互い絶対に好きなのにそれを口に出せない、出させない状況というか、なんかこのあたりの話運びが良い意味で王道のときめきがあって、ヨッ！パケ男～！！！
デスペラってまじで色っぽかったり家族で見るドラマのキスシーンみたいな展開がないんですけど、その上で既プレイ民に聞きたいんですけど、あそこ、「有り」ましたよね？とはいえどっちとも解釈できるので天才。
逃げてるときのミカの胆力と追い詰められながらもとっさに嘘がつける賢さに拍手。
HAPPYはヤッター！って言ってBADはなんでそんなことするのォ！？って言った。

ハミエル
乙女ゲームの「私のことが嫌いな男」からしか得られない栄養ってあるよね！？決して無視などはしないんですけど言動の端々から「嫌い」を感じる。「大人の嫌悪」の解像度よ。
誰にサイドカー乗せてもらうか？の選択ってミカがするんですけど、普通に考えたら自分を嫌っている相手にそんなん頼まないですよね。こういう時にメタ的な「ハミエル攻略のための選択」を、ゲーム内で彼女が何故彼を選んだか、に落とし込むときの辻褄合わせみたいなのがこのゲーム上手いなぁと思います。
嫌い状態でも相手をだますために恋人のフリとかさらっとしてくれるんですけど、これがまぁ糖度！って感じなので序盤から混乱する。罪な男。
そんなこんなの中、色々あって遭難してしまった時に、雨に濡れて震えるミカに、「来るか」って言ってくれるシーン。ブチ上がった。加藤御大、天才。もうここのボイスだけでも聞いて欲しい。
個別√以降はみんな大好き「私のことが嫌いな男」が私のことを愛してくれるまでの課程、大好き！HAPPYの落とし込み方も好きですが、是非ハミエルBADで頭を抱えてください。ほんと何なの？

カミュ
キャラ立ちがすげえ。「一般ゲー出身の男」を攻略する時ってこんな感じなんだろうなっていう喜びがあった。一般ゲーでも、主人公ではなくて、主人公の仲間で、それなりに人気があるキャラ。イケメンだけど平たく言うとあんまり乙女ゲームの真ん中もしくはその周り行ってるビジュアルじゃないじゃないですか。この、真ん中行ってるビジュアルじゃない男を持ってきたREDとD3Pとコザキ御大は天才。あと声。
色々トンチキですが信念と覚悟をもって活動していて、あの中ではとっつきやすいし優しいので共通半ばにまさか彼からミカの行動についてハッキリ怒ってくれるとは思わなかった。主人公の自己犠牲にモヤつきを持ってしまう側の人間、多分全員カミュにスタオベしたと思う。私はした。
全肯定男からの否定にしかない栄養もまたあるってもんです。いや全肯定はしてないか
私の大好きな「父との確執男」なのも良かった。
話としてはこのまま進んで良いのか？みたいなじわじわと違和感と恐ろしさがついてまわる部分がありつつ優しい男がずっと優しいのが心の支え。BADのスチルも好きだけどHAPPYがほんとにHAPPYで良かったです。

ジブ
雄大なる胸板に抱かれたく候。私は体格差カプが好き。センシティブな話ではありますが舞台が欧なので皆さん日本人では中々お目にかかれない体格をしていらっしゃって、何が言いたいかというと全体的に、特にジブさん、パッツパツの胸板ありがとうございます。
主人公よりも1.5周りくらい年上で、死んだ妻がいる男、乙女ゲームにこういう男もってきたのだけで感謝しかなくないですか？死んだ妻を今も引きずっているのか？みたいなのはまぁ乙女ゲームなので安心してもらって大丈夫だと思います。
「ジブさんを人でなしにせず、ミカを疎外せず、妻をないがしろにせず」みたいな落とし込みはすごいなと思いました。
そんで1.5周りくらいの年の差カプ、年下からぐいぐいいかないと結ばれないのをやってくれます。竹内…太が一生良い声してるので何をどうしてもメロつき申し上げるけど、特に慈愛を感じる演技が良かったです。
敵はメチャクチャ不死身でしたけどジブさんも化け物みたいなフィジカルなので謎の安心感はずっとあったよね。最後の方の緩急がえげつなかったけど、デスペラのHAPPYってけっこう物語的ですごい好き。
BADはそれかなり人の心無くないですか？みたいな感じでした。

ラミー
最高大好き男すぎて公平な意見が書けない。推し。私は特に血のつながってない年下男が私を姉ちゃん呼びしてくるのが好き。
ラミーくんって、もう息をするようにスリをするんですよ。その一方で、ミカが自分自身を危険にさらしたり、ギャンブルにおいてやむにやまれず尊厳を担保にして金を借りたりすることを、すごくすごく怒るんですよ。
かみ合わない倫理道徳観。ミカが受け入れられないこと（窃盗）と、ラミーくんが受け入れられないこと（自己の尊厳軽視）。二人でぶつかり合いながらも、それでもやっぱりラミー君自身は明るくてミカも前向きではあるので√中ずっと楽しかった。
なんかもう良すぎて記憶無い。シナリオまじでよかったで賞をあげたいよ～！！！デスペラは全員概念の初夜みたいなのがあるんですけど（概念じゃない人もいるけど）、ラミー君のこれが本当に、絶対に概念でしかないのはわかりきってるのに完全に少年が男になった瞬間でェ･･･良くてェ･･･
このあたりのライター、天才テキストが天元突破してたので一生スクショすると思う。してた。
あと、これは読んでみて「ああ･･･」になるんですけど、美少年設定なんですよ。そう読み取った。HAPPYエンドの直前でハラハラして号泣した。BADは辛くてあんま覚えてません。

サリィ
あのさぁ！デスペラ、年下枠がなんと２名、感謝の正拳突き！！！！学園ものでもないのに年下二名、ほぼ同い年の１こ上一名という私得メンツで本当にありがたいね。
ラミーが姉ちゃん呼びならこっちはお姉ちゃん呼び。年下枠と見せかけて正直めちゃくちゃ頼りがいの塊だった。できることが多い。カミュとあわせてこのチームのチート枠。肝がめちゃくちゃ座っている。

私自身は蝶毒の鏡子様とかスタオケの香坂さんとか（そこ並べる？）、年上のお姉たまが好きなんですけど、サリィは本当に可愛かった！まぁ私のことが好きな時点で可愛い以外ないよね。でも、すっごく頼ってなついてくれてるのに、怒るところはカミュに負けないくらい怒っててグッジョブだった。特にキャラ分岐のところ、サリィに怒られて気まずくなるの、たまらん。私は攻略対象に叱られるのが好き。皆はどう？（？？？）
サリィに関しては事前情報で大事なことは何一つ明かされてなかったですし、多分全員気になってる部分は普通にプレイして確かめてほしいなと個人的には思います。乙女ゲームの伊藤かな恵、天才。
一つ言えるのは、やっぱりこう、人と人とが思いを確かめ合う課程ってさ、いいよね･･････

ミカ
キャラデザからは考えられないくらいタフで、もうフィジカル選手権ならここ最近プレイした中ではトップかもしれません。やっぱ関羽とか遮那王と同じREDの系譜の女。
ノータイムの"キレ"も発揮できるし、別にメソったりいじけたりしないので"器"ですよね。でもさ～なんか界隈外の人が言うほどゆるふわ守られヒロインみたいなの別に多くなくないですか？最近。。Dとかライターとかのインタビュー見てると気をつかって作られてることが多い気がします。話それた。
カミュんとこで「自己犠牲」って書いたので不安になってる人もいるかと思いますが、彼女のそれはどちらかというと自分の中の倫理道徳との戦いで、でもこんな状況できれいごとを言い続けられるはずもなく、そのあたりの変化も含めて「犯罪」というテーマの描き方が好感が持てました。
こっちがわとあっちがわの境界線って、ハッキリしてるようで曖昧で、誰だってそういう状況になれば罪を犯してしまう、そういう彼女の気づきとかに注目していくと中々面白いです。というか、彼女のそれって作中では黒い羽みたいなゲージがたまっていくことで可視化されてるんですよね。あのゲージ、説明が無くて（あるのかもしれんけど見つけられてない）、勝手に鮮やかな悪に染まるゲージだと思ってるんですけど（別ゲームの話やめな！）、すごく面白いなぁと思います。犯罪を犯した彼らに共感したり、また彼女自身が罪を犯すことで溜まるゲージ。自らが""そちら側""に行く女、最高ですね。

真相√はみんなでわちゃわちゃ！って感じでこちらも良かったです。最後のミカの一言がだ~い好き。DLCは感謝しかないですね。端的に言うとｴﾁでした。ありがとうございました。